あゝ、荒野 後篇 ★★★☆☆

ああ荒野後因縁の山本裕二と新次との試合が最初のクライマックス。

その思いの強さから周りの人間を焼き尽くしてしまう新次と他人とつながることを望む建二が交錯する後篇。

前篇の自殺サークルのエピソードは後篇でそれほど大きく関わってくるわけではないのでもっと比重下げた方がよかったかな。

後篇ではちょっと女性の裸が必要以上に多いようにも思う。

長さ自体は前編とあまり変わらないが、物語の描き方が少し情報不足で単調になっていはいないだろうか。

前篇からの伏線もいまひとつ描き方が雑に思えてならない。

手に汗握るボクシングの試合、そしてそれがあるからこそのラスト。

前篇よりは少しトーンダウンしたきらいはあるが、それでも圧倒されるドラマだった。



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ブレードランナー ファイナル・カット ★★★★☆

ブレードランナー続編"2049"公開間近ということで劇場公開されていた「ブレードランナー(旧作)」を見に行った。

最初の公開の時に映画館で見て、その後も何回か名画座の2本立てかビデオで見た(いずれも今から20年以上前だと思う)が、一度も面白いとは思わなかった。

当時はSFと言えば「スターウォーズ」や「スーパーマン」といった分かりやすいアクションものが全盛の時代だったので、それを期待して見に行ったせいか、あまりにも暗くメロウな雰囲気が理解できなかった。

特撮のすごさは分かったが、それも自分が若すぎたせいか当たり前のように受け入れてしまい、初めて「スターウォーズ」を見たときのような衝撃もなく特別な感動はしなかった。

今回随分久しぶりに見て、その映像は現代のそれと何の遜色もないことに驚いた。

やはり劇場の音響のせいか冒頭からしばらくはその世界に再び取り込まれてしまった。

今まで受け入れられなかったドラマの描き方も、今までの映画経験からすれば”全然あり”、やはり当時の時代背景のせいで意味不明な位置づけになっていた気がした。

映画鑑賞後、20年以上の時を超えてようやく受け入れることができたこの映画に、改めてこの数日浸りきっている。。。



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アウトレイジ 最終章 ★★☆☆☆

アウトレイジ最終残念ながら今までのシリーズほどのキレが感じられなかった。

見る方も慣れてしまったのかもしれないが、思わず目をそむけたくなるような残忍なシーンも影を潜めている。

実はこれまでと同じレベルを保っていたのかもしれないが続編を作るのなら常に今までにない高いレベルのものを見せてほしかった。

北野武をはじめ、登場人物はみんな老けてしまったという印象。

塩見三省は病み上がりとのことだが、映画の中でも今までのような精彩を欠いていた。





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あゝ、荒野 前篇 ★★★*☆

ああ荒野前2021年の新宿が舞台だが、描かれている世界は昭和な感じが色濃く映しだされる。

冒頭のテロ?爆発も後篇でつながっていくんだろうか。

濡れ場も多いが、意味のないシーンというわけではないので、この映画の魅力の一部としてちゃんと溶け込んでいる。

とにかく、菅田将暉とヤン・イクチュンがすばらしい。

そして木下あかりも。

最初からワクワクさせられる映画だ。

後篇があるので全体的な評価は出来ないが、後篇に向けて期待が膨らむ。




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ドリーム ★★★☆☆

ドリーム邦題は「ドリーム」でなんともピンとこないタイトルと思っていたら、原題は"Hidden Figures"。

「隠れた数字/影の人たち(隠された人たち)」のダブル・ミーニングによる題名。

アメリカの初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性職員たちの功績を描いたドラマである。

1960年代というアメリカの人種差別が根深い時代背景を考えるとNASAには有色人種は全くいないかと思っていたが、がっつりと一緒に宇宙開発計画の一端を担っていたという事実に恥ずかしながら初めて知って驚いた。

ロケットの弾道解析という高度な数学的アプローチを行う以外にも、IBM開発のコンピュータの導入にも彼女たちの貢献が大きかったのも驚きだ。

これがゆがみのない事実なら、当時の米ソ宇宙開発競争はソ連の実力に大きく後塵を拝していたということにもなるのでそういう意味でもこれまでの歴史が全く違う見え方ができて新鮮だった。




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ユリゴコロ ★★★☆☆

ユリゴコロ
何の予備知識もなく見に行ったら、その強烈な描写にのけぞった。

R15ということだけれど、R18に限りなく近い強烈さ。

リストカットをあれだけじっくり、ねっとり見せられるとみているこちらも気がおかしくなりそうだ。

でも、吉高由里子が良かった。

この人は、ドラマやテレビCMでの印象が強いけれど、シリアスな役どころでちゃんと女優した方が魅力的だと思った。

普通の人間とは精神構造の違う主人公を見る側人間を引き込みながら見せてくれている。




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ダンケルク ★★★★☆

ダンケルク陸海空の3つのシーンを3つの時間軸で追いながら最後の救出劇の一点へと流れ込む構成が秀逸。

しかも、それぞれのシーンが実写メインの美しい映像でつづられている。

フランスの海岸線、ダンケルクでドイツ軍に追い詰められた英仏軍の脱出劇だが、民間のイギリス船までも自らの意思で兵士の救出に参加している。

民間船らによる兵士の救出劇をメインに描くと、セリフや注意書きでその背景説明にたくさんの言葉や映像が使われたのかもしれない。

ところが、この映画ではほとんど説明的セリフの無い日常的なシーンを3つの視点で3つの時間軸からひたすら描くことで、まるでその場にいるかにいるかのような臨場感をもって物語を伝えることに成功している。



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エイリアン:コヴェナント ★★★☆☆

Alien Covenant「プロメテウス」の続編にあたるエイリアン・シリーズ最新作。

リドリー・スコットが監督をやっているだけにそこかしこに「エイリアン」とつながるヴィジュアルが散見され、古いファンとしてはうれしかったりする。

前作の「プロメテウス」もこれまでにない斬新なデザインと発想で面白かっただけに期待して見に行った。

ところが、エイリアンに遭遇するまでの展開が素人目にも無能すぎる。

2000人以上の移住者を乗せた船をたまたま見つけた惑星に連れていくなんてどう考えてもあり得ない展開だ。

この船長は半分アンドロイドだったのだろうか。

初めて人類が訪れる星に宇宙服もなく降りていく展開も見ている方をバカにしてないだろうか。

プロメテウスからの流れからすれば、人類の起源、もしくはエイリアンの起源が明らかにされるはずだが、すべてをアンドロイドがつぶしていたことが判明した時点で他のありきたりのSFと同等の作品になってしまった。

そして、”さもありなん”というラスト。

リドリー・スコットが作らなくてもよかった映画ですな。

続編への期待も萎んでしまった。

ちなみに本作の舞台は西暦2104年。

そして「エイリアン」でリプリー(シガニー・ウィーバー)がノストロモ号でエイリアンと初遭遇するのが西暦2124年。

次回作以降でつながっていくんだろうか。

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三度目の殺人 ★★★*☆

三度目の殺人緻密に計算されつくされた脚本に唸らされる。

一見関係のないシーンで語られたセリフがふっと別のシーンで再び繰り返され、人間の存在を問うていく。

物語は二転三転し、重盛(福山雅治)の夢のシーンなど観客を惑わせるが、ストーリーはすごく単純だ。

しかし、全体に横たわるテーマは重く、「生まれてくる価値のない人間がいるか」というこれまで数えきれないほど問われてきたテーマでさえ再構築を試みている。

気になったのは、重盛(福山雅治)の娘と咲江(広瀬すず)の髪形を同じにするのはなぜだろう。

顔の違いには日本人の観客には見分けは付いても、海外だと同じ女の子に見えたのではないだろうか。

ここにも何か目論見が隠されている気がするが、自分には分からなかった。

もしかすると重森に咲江に対して実の娘のような親近感と錯覚を持たせたかったのかもしれないが、機能しているようには見えなかった。

中盤の接見室のシーンは動きがなく、緊張感が途切れがちでそれまでの流れが途絶えたのは残念。

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三隅(役所広司)は「こうすると相手のことがよく分かるんです。」と言いながら接見室のガラス越しに重盛(福山雅治)と掌を合わせる。

すると、三隅は重森に娘がいることを言い当てる。

三隅はいわゆる霊能力があったようだ。

咲江(広瀬すず)は父親と近親相姦の関係にあったことを言及し、自分の父親に対する殺意が三隅に伝わったと言う。

重森は三隅と咲江に肉体関係があったことを前提に咲江の殺意という思いが伝わったものと話を進めるが、咲江は肉体関係には言及していない。

これも肉体関係があったわけではなく、掌を重ねるだけで考えが伝わったのだろう。

終盤、三隅は殺人現場に行っていないと言い出すが、映画の冒頭で殺人を犯す三隅のシーンから始まるように三隅が殺人犯であることは間違いない。

それが咲江の告白で彼女を苦しめないための発言であったのは、やはり間違いなく咲江を三隅の実の娘とダブらせての言動だろう。

これまで親子関係を描き続けてきた是枝監督の父親と娘の関係が裏のテーマとして横たわっているように思う。


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