二郎は鮨の夢を見る ★★★*☆

銀座にある寿司の名店「すきやばし次郎」の店主である、87歳の小野二郎の世界にアメリカ人監督によって迫ったドキュメンタリ映画。

「すきやばし次郎」は、ミシュランが東京の飲食店を対象にして刊行されて以来、5年間途切れることなく三つ星を獲得している。

寿司はシンプルを突き詰めるとピュアになると小野二郎は言うが、映画もまた、この寿司職人の世界をシンプルにその奥深さを描いて見せる。

客の前で握る寿司職人こそがその寿司の出来の全てを左右するものだと思いがちだが、小野二郎の手元に食材が来るときには、既に95%寿司は出来ていると言う言葉に目から鱗が落ちる思いだった。

小野二郎のあくなき探究心と途切れることない向上心こそが、すべての原動力であり、食材の選別、仕込みのそれぞれの段階でその道を究めることを望み、スタッフには「職人さん」になることを求める。

スタッフ側もそれに応えようと奮闘する。

早ければその日のうちに逃げ出す者もいるという厳しい寿司職人の世界だが、最高のものを作るための仕組みを何十年もかけて作ったからこそ、最高の寿司が出されることに今更ながら感心させられる。

独りの職人が寿司をにぎるだけで簡単に至高の寿司が生まれるわけではないのだ。

最高のものを何年にもわたって作り続けれる仕組みを作り、維持しているという功績こそ、小野二郎の称賛される所以である。

ミシュランの調査員が来た時に寿司を握って出したのは小野二郎ではなく、長男の禎一であったことがそれを如実に語っている。




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