遺体 明日への十日間 ★★★☆☆

石井光太のルポルタージュ「遺体 震災、津波の果てに」を原作にした映画。

東日本大震災直後の岩手県釜石市で、およそ2か月に渡って開設されていた遺体安置所を舞台としたドラマである。

大震災の直後はインフラは言うまでもなく、食糧品をはじめ、生活物資までも逼迫した状態だった。

そうした極限の状況の下で次から次へと運びこまれる遺体を確認し、家族に引き渡す作業はいかに精神的、肉体的に重労働であったかは想像に難くない。

遺体を管理するのが仕事である市職員がその扱いに戸惑う一方で、ボランティアの人間が遺体に敬意を払って丁寧に扱うのもこの突然の大量の死の前では致し方のないことだ。

2年前には散々マスコミの報道で見た世界ではあるが、今更ながらに胸を押しつぶされるような思いがする。

遺体と家族の再会の場面はその人の人生に再び明かりをともす瞬間でもあり感動的であるが、最愛の家族を送り出すにあたっても十分に慈しむことができないというもどかしさには耐えきれなくなる。

普段は宗教的なことにはあまり興味がわかないが、一人の僧侶が遺体の前で唱えたお経を聞いたときどこか救われた感じがしたのは、自分も日本人だからだろうか。




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