脳男 ★★☆☆☆

「脳男」という設定は非常に興味深かった。

脳男は、エンドルフィンを過剰分泌するため痛みを感じず、また、感情が生まれつき欠落している一方、超人的な記憶力を誇る。

大富豪の祖父により、通常の人なら感情を通じて自然と身につく日常生活の所作を教育でその記憶力を使って身に着けさせられたのみならず、殺人の技術まで植えつけられ、正義の判断に赴くまま行動する「ロボット」として仕立てあげられる・・・

生田斗真はこの特異なキャラクターを見事に演じきって見せている。

でも、よかったのはここまで。

江口洋介の刑事はTVドラマでよく見かけるような男だし、松雪泰子の精神科医も陳腐でセリフ回しがアナウンサーのよう。

そして何よりも演出がショボイ。

冒頭の舌を切る猟奇シーンは薄っぺらく、それに続くバスの爆破もなぜ出口のないバス後方に子供が真っ黒になって歩いているのか。

脳男は手錠をかけられたまますれ違いざまに数人の警官を倒し、標的とする男の眼を素手でつぶすが、こんな凶悪な男をその事件の直後に再び数人の平服の警察だけで護送するなんてふつうないだろう。

皆殺しにされるぞ。

本来なら観客を映画の世界に引きずり込むべき最初の30分で、私の心はこの映画から離脱済みだった。

ダメ押しでクライマックスに脳男が何度も車で轢かれるシーンの音楽センスのなさには愕然とした。

アイデアはいいけど、映画としては今一つ、二つと言われるような日本映画によくある駄作群のひとつ。

スタッフの人たちは最近の洋画も見てるんだよねぇ?

日本映画界の時間を15年ほど巻き戻されたような錯覚に陥った。




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