

大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した作品。
3賞受賞作品というのはやはり伊達ではない。
最後までほぼ一気に読んでしまった。
貴子の描写が少女漫画チックだったのが少し残念だったが、物語の疾走感と読後の爽快感がすばらしい。
日本政府の失政である戦後のブラジルへの移民政策を起点にした物語であるが、従来の欧米追従から日本ナショナリズムへの揺り返しが来つつある今、極端から極端へ走ることなく、自分たちのやってきたことを冷静に振り返りつつ日本の国のありようを確立していければ、などと思う。
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