
セリフに説明を求めるのでなく、象徴的な映像から心象を描き、物語を紡ぎだしていく手法は見事で唸らされる。
映画ファンにはたまらない作品に仕上がっていると思う。
貫也は食材の鮮度にこだわりを持ち、気が付けば包丁を研いでいるほどの筋金入りの板前。
その板前にとって命の次に大事な包丁をまな板の上に放りっぱなしにしているのを里子は見てふたりのやっていることから貫也が離れつつあるのを気づいたに違いない。
獲物の女性の実家の工場で作業を手伝っている貫也を見て自らそれを終わりにしようとするが、上手くいかずに最後は別の人間によってあっけなく幕を下ろされてしまう。
業の深いふたりの夫婦の織り成す業の深い女たちの物語はどれも圧巻だ。
「告白」が日本アカデミー賞作品賞を受賞したときの主演、松たか子はその時を超える演技。
今年度も日本アカデミー賞を沸かせるに違いない。
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