
そして、「フランス」と「ノスタルジー」という今年の多くのノミネート作品に共通のテーマを持っている。
なぜここまでノミネート作品のテーマが見事に偏っているのか。
本作品では出演者の豪華さに目を奪われる。
主役のオーエン・ウィルソンがどちらかというと軽い印象の俳優だが、取り巻く演者たちはマリオン・コティヤールやキャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、挙句の果てにはカーラ・ブルーニ(元スーパーモデルでサルコジ前大統領夫人)まで出ている。
パリの黄金時代とその同時代のアーティストたちをこれでもかと登場させ、現代のパリの魅力と歴史的な魅力を余すことなく詰め込んだ監督のパリという街への愛がひしひしと伝わっている。
これまでこの街を舞台にした映画は数多く作られているが、ここまで密度の高い街への愛情を描いた作品はないんじゃないだろうか。
同時にノスタルジーという感情は理解できても、ひとは自分の生きる時代を精一杯生きなくてはならないというメッセージが心地よく胸に刺さる。
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