
撮影、監督、編集、ナレーションは実の娘である。
人の死に様はそれぞれで一般化するのは難しいと思うし、どちらかというと物質的に恵まれ、家族の愛にも恵まれ、最期の最期まで家族たちと言葉を交わせた主人公の死に様は非常に幸せなものだったように思う。
とはいえ、がんという現代の日本人の多くの死因にもあげられる病で、おそらくはほとんどの人がたどるであろうと想定される入院して最期を迎えるというプロセスを克明に捉えていて、ひとはどのように死んでいくのかその瞬間が分かるのは興味深い。
また、主人公の正直に自分の心情を言葉で伝えていくさまは、見栄やエゴなど微塵も感じることはなく、素直に見るものの心に染みていく。
散々、メディアに取り上げられている死の瞬間が大きなテーマではあるが、それらでもなお伝えきれない一つの瞬間を感じ取れる貴重な時間を与えてくれる作品。
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