
何一つ音もなく、太陽をさえぎる雲もない月面は強い日差しがクレーターしかない地表を空虚に照らし、その情景がサムの孤独感をあおる。
ある日、採掘重機の事故によって会ってはならない男、クローンのサムに出会う。
クローンのサムとの会話によってサム自身、クローンであることが分かるのだが、オリジナルのいないクローンだけの月面世界は底知れない空虚感に襲われる。
この経験したことのないような空虚感が耐え切れないほどずっしりと重い。
最後は光明の見えるエンディングで多少安堵するものの、この作品を覆う空虚感は鑑賞後もしばらく後を引いた。
低予算の映画でサム・ロックウェルの一人芝居の映画だが、なかなかどうして重量感あるインパクトがあった。
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