
国と個人のアイデンティティーの危機という人間の最もいやらしい部分をさらけ出さずにはいられない局面を、映画は全て見事に取り込み、ユーモアと豊富な映画的映像表現で彩って見せている。
チェコというヨーロッパの小国の近代史が国と言う立場、個という立場それぞれの観点から垣間見れるのは非常に興味深かった。
また、いかに状況が変わろうとも、常に人を満たして和やかにしてくれるものと言うのがおいしい食事とエロティシズムというのも、冷静に考えれば当然なのだが、その一貫した表現も面白かった。
何よりも、映画全編を穏やかに彩るCG効果がでしゃばりすぎず、洗練された印象を与えている。
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