香水 - ある人殺しの物語 ★★★*☆

『香水 - ある人殺しの物語』 パトリック ジュースキント著、 池内 紀 訳 2003 文春文庫

今週末から映画「パフューム - ある人殺しの物語」が封切られる。
スピルバーグ、スコセッシが映画化権を争奪し合ったという原作である。

有名な映像作家が惚れ込んだとはいえ、テーマが「匂い」なだけに、この目に見えないものが映像化可能だろうかという疑問が頭をよぎった。

まして、ヨーロッパ各国でベストセラーとなった本作である。
下手に映画で見るよりも、先に原作を読もうと思い立ち、早速購入した。

翻訳でありながら、簡潔な文体でテンポよく読み進められる。翻訳作品にありがちな変な訳文もない。

作者の描く、超人的な嗅覚を持つ主人公グルヌイユの生きる世界に驚嘆する。

その描写は緻密で、彼の心理や行動の描写が筋が通っていて論理的に表現されている。
そのせいか、常人には到底捉えることの出来ないグルヌイユの世界に見事にはまり込んでいく。
久しぶりに小説を最初から最後までほとんど一気読みしてしまった。

それにしても、ラストは...うぐぐ...そんなことになってしまうのか...

ここは人によって賛否両論かもしれない。


で、映画なのだが、やはり、まともな映像化は無理な気がする。
忠実に映画化してもまともなモノにはまずならないだろうな。


あと、最近の作品かと思っていたが、ドイツ語の初版は1984年。ちなみに、ジュースキントはドイツ生まれで後にフランスに移り住み、この作品をスイスの出版社から出している。


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