
編集に問題があると感じた前作「父親たちの星条旗」とは異なり、本作はうまくまとまっている。
山場と言った山場はなく、淡々と進む展開はクリント・イーストウッドらしいが、かえってこれまで何度となく作られてきた戦争映画とは一線を画す結果となり、成功しているように思えた。
また、二宮和也がいい。
いいのだが、彼の演じる日本人は戦争末期の日本人と言うよりは現代のそれに非常に近いと感じた。
アメリカ映画で、日本軍が負傷したアメリカ人を介抱し、アメリカ軍が投降した日本人捕虜を射殺してしまうことを描いているのには驚いた。
近年の米軍の横暴に対する自らの戒めとして描いているのだろうか。
残念だったのは、予算の関係からか日本軍の規模の大きさが映画から伝わってこないことだ。
アメリカ軍が圧倒的兵力だったのは事実かもしれないが、2万人以上いたはずの日本軍が数百人規模にしか感じられない。
スケール感のなさはこれまでの日本の戦争映画と同じで、せっかくハリウッドが作ったのに非常に残念。
なお、前作でアメリカ軍が擂鉢山に星条旗を掲げた直後に射殺された日本兵の一人は中村獅童のような気がしたが、全然違っていた。
イギーの最後は予想通り今回描かれている。
- 関連記事
-
- エラゴン 遺志を継ぐ者 ★★☆☆☆ (2006/12/19)
- パプリカ ★★☆☆☆ (2006/12/11)
- 硫黄島からの手紙 ★★★*☆ (2006/12/09)
- 007/カジノ・ロワイヤル ★★*☆☆ (2006/12/04)
- ソウ3 ★★★☆☆ (2006/11/24)