この世界の片隅に ★★★*☆

この世界の片隅に主人公のすずは自分のことを「ボーっとしている」と言っているが、戦時中の庶民の感覚なんて似たり寄ったりではなかったかとも思ってしまう。

はるか彼方でアメリカと戦争が行われていても、世界中で戦争が行われていても、すずの生きるこの世界の片隅では霞に霞がかかったようにしか見えなかったろう。

ただ、のどかな日本の原風景の中、戦争が徐々に侵食し、いつの間にか生活の一部に同化していく描写が、その後を知っている人間から見ていると恐ろしく映る。

「ぼーっとしていた」すずたちが戦争を実感したのは身近なものが傷つき始めた戦争ももう終わろうとする頃。

戦争のために協力し続けていたのに周りから何もなくなったかと思うと、戦争が終わり、それぞれ何も無い中から生きることを強いられる。

戦争は人為的な行為にも関わらず、自分たちはひたすら受動的に生きることのできない虚しさがずっしりと重く感じる。


すずの声って見ている間は綾瀬はるかかと思っていたけど(広島出身だし)、能年玲奈(のんに改名)だったのね。



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