
日本では今一つ人気のないシューメーカーです(笑)。
でも、物は試しと試着したところ、革の馴染み方に魅了されて思わず購入です。
しっとり、もっちりした革は何もしていないのにうっすら光っていて、きちんと手入れして磨けば見事に光ってくれそうです。
ラウンドトゥの丸い形状、土踏まずの持ち上げ方などクラシカルな形の靴です。
ただ、このモデルは典型的なセミブローグと言うよりは、パンチドキャップ・トゥにメダリオンがあしらわれた変形のセミブローグと言う意匠になっています。

かつてのグレンソンの最高級ライン「マスターピース」の革質は、エドワード・グリーンのそれに匹敵するということで絶賛されていました。
一方、現在の製品ラインでマスターピースに対応する「G-ZERO」もワインハイマーのボックスカーフを使用して、長期間かけてなめした革をソールに使用するなど品質面の高さは折り紙つきです。
グレンソンと言うブランド
グレンソンと言うと、日本ではまだ「質実剛健」という言葉で表されることも多いようですが、本国では今や伝統的なデザインに固執しない斬新なアイデアで先進的イメージのあるブランドのようです。

日本市場のマーケティング戦略がイマイチななために消費者側もグレンソンに対するイメージを上手く確立できないのは残念なところです。
エドワード・グリーン、チャーチ、クロケット・アンド・ジョーンズのような著名な英国ブランドと同様にイギリスのノーザンプトンに同時期に創業された伝統的な会社ですが、2010年に会社のトップが変わったのを機に製品のラインナップを刷新しました。
混乱しているかのように見える日本の製品ラインナップは、まだ、日本市場まで手が回らないということでしょうか。
それまでは、「マスターピース」「ニューフットマスター」「フットマスター」という三つのラインだったものも、今は(本国では)「G-ZERO」「G-ONE」「G-TWO」という新しいラインに変わりました。
輸出向けの日本市場のみでしか取り扱っていないモデルもたくさんあるようで、ライン自体も整理されていないような印象です。

これも日本の消費者がグレンソンのことをすんなり理解できない理由の一つでしょう。
例えば、ストレートチップの「ロンドン」と呼ばれるモデルは、現在もインソールに「フットマスター」と書かれて販売されていますが、ラインの格自体は昔の「ニューフットマスター」に相当するもので、本国では販売されていない日本市場向けの輸出専用モデルです。
ここまで情報が簡単に世界中を駆け巡る時代なのだから、日本でも製品ラインナップを統一するか、分かりやすい違いを示してくれた方がブランド価値も上がると思うのですが、そう思うのは自分だけでしょうか。
GRENSON 本国HP
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