
江戸時代の浮世絵師の巨人、葛飾北斎の三女お栄を描いたアニメ映画。お栄はのちに葛飾応為として絵画を残しており、映画の絵インドクレジットで登場する遊郭の絵は応為の作品だ。
北斎とお栄は目に見えないものを見ようとし、それを絵にしようとした。
北斎の末娘お猶は目が見えないにもかかわらず、買ってもらった金魚をずっと見ていたという。
視覚をもって把握できないものを何とかとらえようとしたのは北斎の血筋だろうか。
お栄の勝ち気な性格と絵に対する情熱は、寡黙な北斎の絵に対する哲学をも浮かび上がらせる。
彼らの絵に対する姿勢は紛れもなく芸術家のそれであり、目の見えない末娘お猶に対する接し方、この世の観かた、あの世の在り様からも彼らの絵の深みが伝わってくる。
ただ、映画の中の物語としては、今一つ盛り上がることなく、特に最後は尻切れトンボのようになっていたのは残念だった。
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