
父親の事業がうまくいかずに、家を売却して夜逃げ同然にいなくなってしまった。
大学受験が迫る高校三年の夏、昨年彼女と撮影した動画を見て自分が好きだった彼女のことを忘れていたことに気づいたぼくはそのことを一つのストーリーとして妄想しながら語る・・・
この映画の骨格はこのような話なんだろうと思う。
映画で語られる、
忘れてしまっても出会うたびに同じ人を好きになること、好きな人を慕い続けながら、その人のことを認識できないことは、人を好きになることとは何かと本質的な質問を投げかけているように思う。
後者は「妻への家路」でも描かれているが、人を想うということは脳内の妄想だけでも成り立つということだが、当然のことながらそれは愛し合うということとは違うのだ。
思いを寄せる相手はかつてとはすでに同じ形で存在せず、接することもできない。
だからこそ、かつて愛し合った二人の間のそのような状態に計り知れない空しさを感じる。
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