それでも夜は明ける ★★★★☆

12yearsaslaveアメリカで奴隷制度がまだ廃止されていない時代、ニューヨークでソロモンは音楽家として自由人の身分だったが、騙され、南部へ奴隷として売られてしまう。

奴隷制度という人種差別が根底にあるものの、この映画で描かれている問題はまず、拉致による人身売買だ。

そのきっかけは単なる金儲けだろうか、裕福に暮らす黒人に対する白人の嫉妬だろうか。

映画でその動機は描かれてはいないが、人種差別よりもキリスト教の七つの大罪に挙げられた人間の原罪に関する問題を提起しているようにも思える。

綿花プランテーションの場で農場主が黒人奴隷たちに聖書を読み、解説する様はこの時代のキリスト教が、人種差別を救うことができなかったことを明示している。

主役は黒人だが、人間の在り方を問い、キリスト教の在り方にまで疑問を問いかける映画だと感じた。

誰にでも平等に訪れる死に直面した時、神の前の人間の平等さの尊さを考えずにいられない。

黒人たちに歌われるゴスペル「Roll Jordan Roll」がそれを浮き彫りにするとき、切なさが胸に突き刺さる。


音楽はハンス・ジマー。

アカデミー賞作品賞受賞作品。



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