希望の国 ★★★★☆

kibounokuni昨年の公開時には見逃したのだが、5月11日に亡くなった夏八木勲の追悼ということで近くの映画館で上映されていたので見に行った。

やはり、この監督の作品は強烈。

すべての牛を撃ち殺したラストの小野泰彦(夏八木勲)の姿は見ていて胸をえぐられる思いがして本当に苦しかった。

小野夫婦を結び付けているのは言うまでもなく愛だ。

そして、最後の判断の元になっているのもこの愛なのだが、ただ、"杭"への対処法の違いによって洋一夫婦とは違う結果になるのだ。

津波にさらわれた後の街に現れる二人の子供はビートルズのレコードを探していた。

ビートルズは愛を歌い続けたバンドだ。愛こそ全てと。

二人の子供は、これからの日本人は一歩一歩歩いて行かなくてはならないと言い捨てていく。

精霊なのか、流された人たちの魂なのか、監督の思いを託したセリフを思わせぶりなそぶりで突き立てて消え去る。

愛は津波で流されてしまったと捉えることもできるかもしれないが、あくまでも彼らは愛が必要だと探してさまよっているのだ。

”遠く”へ避難した、ある砂浜のガイガーカウンターがアラームを鳴らす傍らで、愛さえあれば乗り越えれると洋一といずみは抱き合うが、映画の描くあまりにも悲惨な状況にそのセリフさえ空しく聞こえるかもしれない。

「希望の国」と言うタイトルも、登場人物の語る愛のすばらしさも映画の世界が見せるあまりにも悲惨な状況から皮肉として描いているとも取れるかもしれない。

しかし、私はあくまでもこの映画は、これほど絶望的な状況であっても愛があれば乗り越えれると言っていると考える。

愛こそ全てなのだ。



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