魔女と呼ばれた少女 ★★★*☆

魔女と呼ばれた少女アフリカの内戦の場における少年兵の存在の痛々しさは今に始まったものでもないが、突き付けられると思わず目を背けたくなる。

少年兵たちは、小さなころに誘拐され徹底した洗脳と教育で殺人マシンに作り上げられるのだ。

この映画の主人公コモナも12歳でゲリラに誘拐されて少年兵に作り変えられる。

コモナは思春期の多感な時期にゲリラたちに自分の親を自らの手で殺させるというありえない残虐な行為を強いられるが、その人格形成に与えるインパクトは想像を絶するものにちがいない。

ゲリラ組織であるクスリを飲んでいるときだけ亡霊が見えるようになったコモナは魔女と呼ばれ崇められるが、そこに安寧の地はなくゲリラに翻弄され続ける人生を送り続けることとなる。

亡霊を見ているときのコモナのシーンはどこか静寂感と幻想感が織り交ざった不思議な映像が印象的だ。

また、"白色"について霊的な意味を持たせた演出も興味深かった。


マジシャン(魔術師)と呼ばれるコモナに求婚するアルビノ黒人少年兵は護符を身に着ける、コモナの前に現れる亡霊たちはみな白い姿をしている、結婚という神聖な儀式に必要とされる白い雄鶏はこの地域にはほとんどいない。

コモナは後にマジシャンの兄と母に受け入れられて新たな家族を得るが、自らの手で殺した両親たちが救いを求めて夜な夜なコモナの枕元に立つため、そこが心安らぐ場所になるわけではない。

コモナは両親を供養するために故郷へ戻って両親を埋葬し終わって初めて安堵の吐息をつく。

新たに得た小さな命と共に未来に向かって歩き始めることができたのを見たとき、今までの忌まわしい反人間的な行為が全て清められたような気がして、見ている側としても初めて救われたような気がした。



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