2018.11.05(Mon)
オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンの3人の主役女優たちの火花散る演技合戦に思わずうなる。
暗闇の中ろうそくの炎に浮かび上がる彼女たちのたたずまい、表情が本性をあぶり出しているようで印象的だ。
豪華な美術セット、洗練された衣装、広角による撮影や光の使い方、映画はやはり楽しいと見ていて思える。
それらが3人の関係を描くためにすべて計算されつくしていて圧倒される。
濃密な画面作りなだけに何度見ても新しい発見のできる映画だと思う。
公開されたらもう一度見てみたい。
2019年2月公開予定
- 関連記事
-
テーマ: 映画レビュー | ジャンル: 映画
2018.11.04(Sun)
物語はありきたりかもしれないが、俳優たちの演技で魅せてくれる。
突然自死した長男をめぐる鈴木家再生の物語。
涙が止まらなかった。
木竜麻生は「菊とギロチン」ではピンとこなかったが、本作では良かった。
加瀬亮は内面を表した緩急ある演技で圧倒。
岸本加世子もすごく場面場面で利いていた。
少し長くて全体のバランスが悪い気もしたが、最後の最後まで丁寧な描写だった。
第31回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 作品賞受賞作品
2018年11月公開
- 関連記事
-
テーマ: 映画レビュー | ジャンル: 映画
2018.11.03(Sat)
皆、世界のすべてを知るわけではない。
「半世界」を英題「Another World」と訳すところからも分離された世界観を描こうとしてた意図が垣間見える。
分断していてもメディアで報道されている世界も日常生活も地続きでつながっている。
空間的分離・時間的分離・認識的分離...それはすべて一つのものに対するそれぞれの見方でしかない。
それぞれの世界観がつなぎ合わせて大きな世界を形成しているのだ。
第31回東京国際映画祭 観客賞受賞作品
2019年2月公開
- 関連記事
-
テーマ: 映画レビュー | ジャンル: 映画
2018.11.02(Fri)
柔らかな日の光と木陰の揺らめく爽やかな空気の中、家族や仲間とのごく一般的なパリ市民の日常生活。
テロの銃弾は命を奪うだけでなく関わる人たちもの生活を非情に壊滅的に打ちのめす。
今やテロにより修羅の国と化したパリと透明感のある空気との対比が鮮烈だ。
襲われた人に非はなくとも、本人も関わる人たちまでもその一発で致命的なインパクトを喰らう。
ただ、立ち直れないほどの打撃を負った人もそれで終わることはない。
あきらめることはないのだ。
アマンダとこの街の再生の未来に光を感じるラストが美しい。
因みに母親のアリソンは「推定無罪」(1990)でハリソン・フォードと共演していたグレタ・スカッキ。
エンドクレジットで気付いたけれど、あまりにも久しぶりでびっくりした。
第31回東京国際映画祭 東京グランプリ、最優秀脚本賞受賞作品
2019年初夏日本公開予定
- 関連記事
-
テーマ: 映画レビュー | ジャンル: 映画
2018.11.01(Thu)
丁度50年前、1968年のSF映画の古典。
確か自分が見たのは過去に一度だけ、二本立ての映画館の小さな画面での上映だけだ。
当時は凄い作品だという評価は分かるけど、それほど惹かれるものではなかった。
年齢を重ねて感じ方が変わるか、また、このような映画が大スクリーンの高音質で上映されることはないだろうし後悔したくなかったので最終日に滑り込みで見に行ったのだ。
今回の再上映にあたってクリストファー・ノーランがレストアに関わったという。
人間が月面に到達する前にこれだけの映像をどうして作りえたのかそれだけでも信じられない。
この50年間、様々な評論家がこの映画の意味するところを論じ合ってきた。
キューブリックのインタビューにより今や後編の謎も明快に解き明かされているが、それでも、この啓示的な映画にはいまだに魂を揺さぶられる。
鑑賞後しばらくたっても映画の持つバイブレーションが自分の中で響き続けている感じがする。
言葉では言い表せないが、無意識下で何か感じているに違いない映画のメッセージとの共振があるように思えてならない。
- 関連記事
-
テーマ: 映画レビュー | ジャンル: 映画