2017.06.25(Sun)
のんびりとまどろむ感覚。
つかの間訪れる恍惚感。
言葉にはならない日常から浮遊した瞬間。
それが直ちに何かを起こすというわけではないけれど、そんな一瞬を感じられるかどうかで人生は豊かになる気がする。
そうした普通の人なら見過ごしがちな感情をこの監督さんは描くのがうまいと思う。
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2017.06.20(Tue)
過去からの抑圧的な価値観や社会的な制約から自由になりつつあった20世紀末、そのような価値観の具現者であった母親の元で育った少年の物語。
この少年は監督自身の実話だという話を聞いてなるほどと思った。
従来の価値観から自由になるということは現代でも難しいテーマだけれど、それを当時すでに具現化していた母親のような人物の登場はこの時期までほとんどなかった。
彼女こそ20世紀の女性という存在だったと言える。
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2017.06.18(Sun)
アスガー・ファルハディ監督のイラン映画。
妻は何日もまともに身動きできないほど身体的にも、精神的にも大きなダメージを負わされていた。
しかも、途中何度となくレイプまでに及んだ可能性までほのめかしている。
なのに、はなぜ彼女は許してしまうのか。
犯人は金を残していったが、レイプはなかったということだろうか。
妻に許させてしまうこの映画の脚本に男目線のイスラム的というか、古い慣習的な男尊女卑思想がこの映画に見え隠れして納得がいかなかった。
たとえあのようなラストを迎えたとは言え、この国の社会というよりもこの映画の観点が妻の本心を表しているとは自分には思えなかった。
彼らは「セールスマンの死」を同じ舞台で演じる舞台俳優だ。
時代についていけずに死ぬセールスマンを演じてはいるが、その比喩の指すところが違うように感じた。
第89回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品(2017)
カンヌ映画祭脚本賞、男優賞受賞(2016)
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2017.06.17(Sat)
100年以上前から金鉱脈を掘り当てることはアメリカンドリームの象徴だ。
それも、今や(とは言っても80年代の話)投資の話になってしまっている。
最近だと「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(2016)の世界がここでも展開されている。
ケニー(マシュー・マコノヒー)が全てを賭けてコンビを組んだマイク(エドガー・ラミレス)はこのあたりのことも全て分かった上でのことだったのだろうか。
この辺りまで事実を基にしているかは分からないが、もし全てを分かった上での仕業なら、この人物は相当のやり手か過去に同様の煮え湯を飲まれたんだろうな。
ヤマシたちの生き馬の目を抜くような世界を垣間見ることができる。
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2017.06.16(Fri)
すごく文学的・哲学的な寓話作品。
ファンタジー色もちゃんと付いていて、エンタテイメント的な見せ方も素敵。
何にもとらわれずに自分に素直になって、それを言葉で表現するのは誰もが難しい。
今更ながらにそう思うのだが、これは自分の成長にすごくいい影響を与えるすごく大事なこととしみじみ思った。
あと、シガニー・ウィーバーがおばあちゃん役だったのは時の流れを個人的には感じずにおれなかった。
それと、やはりフェリシティ・ジョーンズはいいな。
「スターウォーズ」に出演したことで変な色が付かなければいいんだけど。
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2017.06.15(Thu)
パトリオット・デイ=愛国者の日に催されるボストンマラソンで起きた爆弾テロの実話に基づいた物語。
題名からもわかるようにアメリカの国威掲揚映画の一面もあり。
一方で、弁護士を置かずに容疑者を詰問するシーンを見せるのは勇気があるなと思う反面、テロリスト容疑者の人権はないことを暗に広めているようにも取れて少し恐ろしかった。
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2017.06.14(Wed)
突っ込みどころは満載だが、息をつかせぬ緊張感が圧倒的。
スキャンダラスな事件を常に求めるマスコミのハイエナ的な動きが殺人を告白した男と共に日本中を狂騒に巻き込む。
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2017.06.05(Mon)
200年生きてきたウルヴァリンもその特殊能力は影を潜め、寿命が近づいてきた。
主演のヒュー・ジャックマンの実年齢に近づけてきた設定にしか見えなかったりもするのだが、これまでのアメコミ映画にありがちな展開はない一味違う作品になっていた。
ローガンが老眼というダジャレは日本人ならみんな頭をよぎっていそうだ。
ストーリーや設定は期待していたよりは単純で、ローガンも"お父さん"してしまったりと大した盛り上がりも感じられなかったのは残念だった。
特に、他の映画との関連を示すシーンもなし。
ラストはクレジットの後に墓の底から蘇ることをほのめかすようなシーンを期待したがそれもなく、本当にウルヴァリンはこれで終わりかと少し寂しかった。
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2017.06.01(Thu)
自分の大好きなアニメ「マインドゲーム」の湯浅政明監督の作品ということで、楽しみにして見てきたが、それがハードルを高くし過ぎたせいか少し残念な結果に終わった。
「夜は短し歩けよ乙女」にしても、より写実的な場面とぶっ飛んだ表現の場面の対比がこの監督の良さでもあると思うのだけれど、今作ではほとんどぶっ飛びっぱなし。
物語も熟成されていない感じでふらついていたのが残念。
真面目に伏線は最後に回収してくれるのだけれど、整理されていないせいで自分としては感動もいまひとつ。
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