ナイトクローラー ★★★☆☆

ナイトクローラージェイク・ギレンホールの怪演が不気味。

どこでもいると言ってしまえば身もふたもないが、自分のやりたいことに対して貪欲にガツガツと攻めていくタイプの人間、ルイス(ジェイク・ギレンホール)が主人公。

倫理観があればいいが、自分さえよければいいというエゴむき出しのアグレッシブな行動で周囲の嫌悪感をさそう。

何も持たない人間が社会の中でのし上がろうとすれば当然かもしれないし、それをある程度許容してしまっているのが現代社会。

そうした社会の裏の顔をこれでもかと突き出してくるのがこの映画だが、ジェイクの演技があまりにもリアルだからか見ていてひどい嫌悪感に襲われた。

こういう人も必要かもしれないが、自分はかかわりたくないなと改めて思った。




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ジュラシック・ワールド ★★*☆☆

ジュラシックワールドこれだけ巨額な投資が行われているパークでありながら、いつも運用面がずさんな設定と言うのは、何とも残念。

普段の運用でこれだけの事故を起こすのだから自然災害が起きた日には目も当てられない状態だったに違いない。

要は、設定があまりにも安易すぎないかと。

少し、原発の運用のことも頭をよぎった。







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この国の空 ★★★*☆

この国の空戦争中という抑圧された世界でのエロス。

他の映画ではほとんど見られない視点での描き方は戦争映画の一つとしてみると新鮮に感じる。

しかし、セリフの端々や映像そのものから伝えようとしているものは、明らかにこの映画の主題は戦争ではないと言っている。

新型爆弾が広島を殲滅した後、厳しさをます東京空襲に本土決戦による一億玉砕のうわさも真実味が増して人々の将来を暗澹とさせる。

国の将来もさることながら、母親(工藤夕貴)との生活から逃れられず、結婚もできない里子(二階堂ふみ)はこのまま何もせずに死んでしまうかもしれないという絶望感にさいなまれる。

里子の「海はなぜ赤くならないのかなあ」というセリフ、畳の上でゴロゴロと所在なく体を転がす姿。

庭の菜園で栽培したトマトは赤く熟れ、それを妻子ある隣人の恋する男、市毛(長谷川博己)に自分の目の前で食べさせる。

これらはみな、里子の心情を象徴している。

それを二階堂ふみが映画の最初から最後まで見事に演じきっている。

表情、視線、息遣い、その佇まいすべてに息をのみ、引き込まれる。


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セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター ★★★*☆

セバスチャン サルガド写真家セバスチャン・サルガドの半生を追ったヴィム・ベンダースのドキュメンタリ映画である。

何よりもサルガドの作品に魅了された。

彼の写真の圧倒的な描写はどれも圧倒的で息をのむものばかりだ。

そして数年ごとに移り変わるテーマとそれを追うサルガドの心情にも心打たれる。

人間の本性と向き合った作品を送り出していたサルガドは、ルワンダ内戦の悲惨さを目の当たりにして一旦故郷のブラジルへ戻ってしまう。

しかし、生まれ育ったかつては緑豊かだったその地も干上がり、荒廃しきってしまっていた。

妻レリアの提案によりその地の再生を行い、さらに彼の関心は地球の起源を追うプロジェクトへ没頭することへと変わっていく。


英題の「The Salt Of The Earth」は、聖書「マタイ伝」の地の塩 (世の腐敗を防ぐ社会の健全な人, 世の師表となる人)の意味も持つ。




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Mr.タスク ★★☆☆☆

MRタスクアメリカでポッドキャストを制作しているウォレスは、ポッドキャストのネタ探しのためにカナダを訪れる。

そこで出会った話を聞いてほしいという老人に興味を持ち、家を訪れるが、その老人にセイウチ人間になることを告げられる・・・。

人間とセイウチの融合を目論む老人の目つきと表情の狂気は本当に怖かった。

それだけに、セイウチ人間が登場した後は何とも形容しがたいガッカリ感を覚えた。

セイウチ人間ってそのままじゃないかと。

それだけこの老人が狂っているということなんだろうが、着ぐるみ感満載のドリフのコントのようなチープさにあっけにとられる。

セイウチ人間にされるまではまともなホラー映画だけにそのギャップに言葉を失った。

そういう映画なんだと言われればそれまでかもしれないが、さすがにもう少しひねったもらいたかった。

初めて親子共演しているジョニー・デップは相変わらず変な役どころだが、こんな大物が出演していてもほとんど宣伝もされないのは映画会社もこの映画の限界を悟ってのことなんだろうな。



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野火 ★★★☆☆

野火原作は昔読んだが、内容はほとんど忘れていた。

とにかく、テーマがカニバリズム(食人)だったという予備知識だけで見に行った。

補給不足、食糧不足のままの密林の中の行軍、機銃掃射で吹っ飛ぶ内臓といった表現は、残念ながらこれまで何度となく描かれていたものと変わらず、心動かされることはほとんどなかった。

しかしながら、腐臭漂う湿度の高いジャングルで朦朧としながら必死に戦う姿、狂気は今更ながら驚かされた。

追い詰められ、現実と幻想の境があいまいになる精神状態の中、食人も実際行われたかどうかあいまいな表現になっているが、この時代であれば、食人はすぐに思いつくような事態でもなかろう。

記憶があるのは収容所の中からだと言っているが、食人発想が起きたという事実が心に影を残す。

また、塚本晋也監督のその場その場での場面の意味づけ、抑揚のつけ方は強烈だ。





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