
脚本が全くなくて子供たちの成長に合わせたドキュメンタリという訳でもなく、ちゃんと脚本があったと思うのだが、それならもう少し12年かけてしかできない仕掛けを組み込んでくれていてもよかったように思う。
9.11テロとイラク戦争というあまりにも大きなイベントを無視することなく反映させているのはそういう意味でお見事。
子供だけでなく、常に子供と表裏一体の母親の人生も浮かび上がらせているのもすばらしい。
でも、それ以外はあまりにも淡々と時間にそって生活を追うだけに終始しているように思えてならない。
一方で、俳優たちと共にこの映画の主役は、疑うことなく「時間」。
時間そのものを遡上にあげることなく進んでいながら、最後にセリフで一瞬の意味を問うというのは、とってつけたような感じがしてなんとも興ざめだ。