ダラス・バイヤーズクラブ ★★★*☆

ダラスバイヤーズクラブこの映画を見るまでは、アカデミー賞主演男優賞はまた「アメリカン・ハッスル」のクリスチャン・ベイルかななどと漫然と思っていた。

この映画を見て驚いたのは、何よりも主演のマシュー・マコノヒーのなりきりっぷりだ。

これまでの甘いマスクの好青年像からは想像できない変貌に驚かずに入れない。

役への変貌の仕方は、体重を増やしただの、歯を抜いただの、毛を抜いただのとその役者のいかにこの映画以外への影響度の大きな努力をしたかが役への没頭度合として扱われ、評価に反映していたところがあるように思う。

そういう意味で、マシューはこの映画では体重を落としただけでアイテムとしては今や驚くほどのことではないのかもしれない。

分かりやすい見栄えの変貌だけとは思えない、この別人としか思えないような変身ぶりに、彼の演技力の高さに驚嘆させられた。

映画の細身でありながらゲイ嫌いの男臭い彼の役柄にいつの間にか引き込まれている自分に気づかされる。


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ラッシュ/プライドと友情 ★★★☆☆

RUSHニキ・ラウダという名前は日本のスーパーカー・ブーム世代には懐かしさと畏敬の念が蘇る名前に違いない。

70年代に日本で盛り上がったF1ブームの中、レース中のクラッシュにより大やけどを負いながらも、事故と同じ年にレースに復帰したカリスマの名は、その日本人好みのストイックな姿勢から当時の人たちの心に深く刻まれた。

映画はジェームズ・ハントとの壮絶なライバル関係を描き出すが、両者のキャラクターが正反対であまりにも違うところが興味深い。

コンピュータのような精緻なアプローチを見せるニキ・ラウダとあまりにも人間臭いジェームズ・ハントは、F1のタイトルではニキ・ラウダが常に一歩上を行きながらも、ハントのことは無視できず、どこか引け目を感じているように思えるのが面白い。

ただ、主役がどちらと言い切れない描き方はどっちつかずな印象があり、映画を見た後も本作は消化不良のように思えた。

また、音楽は、「ダークナイト」シリーズのハンス・ジマー。

でも、クリストファー・ノーマン作品の作風とは違っていたけど、彼のものと感じさせる印象的なものだった。

この人も今やすごい売れっ子だなあ。



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エージェント:ライアン ★★☆☆☆

エージェントライアン人気のジャック・ライアン物の映画だが、あくまでこのキャラクターのみを使った映画オリジナルになっている。
人気小説にあやかって手早く儲けようとしているようにしか見えない出来合いの産業映画。

俳優陣はビミョーなかつての人気俳優たちで、監督はなんとケネス・ブラナー。

ずいぶんお久しぶりのケビン・コスナーはその昔ハゲ疑惑でCGでけを多く見せようとしてもめた/もめないで話題になっていたと思うのだけど、本作ではちゃんと毛がある。

アメリカを経済危機に陥れるというストーリーもあまりに陳腐で正直眠たい。

ダメ押しはクライマックスの格闘シーンでの編集が変!

前後が全くつながってなくて、突然走っている車で格闘になっているのにはいまどき素人並みのつなぎ方で唖然とする。




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小さいおうち ★★*☆☆

小さいおうち太平洋戦争前の日本を舞台にした物語はとても興味深かった。

でも、俳優陣が何ともいつもの人たちなところは見ている側としてもマンネリ感があったことは否めない。

昭和初期が舞台のドラマでクリエイティブ系職業の人物はいつも吉岡秀隆というのも芸がないよねえ。

自分の倫理観から他人の恋愛に干渉して逆に後悔の念に苦しむ様は「つぐない」(2007)を思い出させる。

しかしながら、脚本、編集は明らかに「つぐない」の方が数段上。

特に終盤の展開はたどたどしくて見てられない。

原作にあるなら仕方がないけれど、タキが亡くなった後のことをこれだけくどく描く必要があったんだろうかと感じたのは自分だけだろうか。




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ウルフ・オブ・ウォールストリート ★★*☆☆

wolfofwallstreetちょうど日本がバブル期の頃のアメリカが舞台。

Japan as No.1などともてはやされた時期ということもあってか、日本食が頻繁に登場したりする。

クスリと女に興じた乱痴気騒ぎの連続でいつ物語が違う展開を見せるのかと思いながら見ていたけれど、結局映画のほとんどがそればっかじゃないか。

こういう生活にあこがれている人はたくさんいるのかもしれないけれど、空しいものだよと言いたかったのだろうか。

仕事で成功/成金→女→ドラッグ→没落/逮捕という展開はある意味鉄板だが、今まで作られてきた映画との違いはより直接的に、長時間これでもかと見せ続けているところだろうか。

だからといってこれ自体、大した意味や目新しさは無いように思えるのだけれど。

ディカプリオもこれじゃあ残念ながら今回もオスカーはきっと無理だね。

スイスの銀行家役は「アーティスト」でセリフを話さずにアカデミー主演男優賞をとったジャン・デュジャルダンで、英語とフランス語でマシンガントークを見せるのは何とも楽しかった。





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マイティ・ソー/ダーク・ワールド ★★★☆☆

マイティ・ソー一作目の公開時は神々が主人公のアメコミ・ヒーローだなんて全くそそられることがなくて見ませんでした。

ところが、「アベンジャーズ」ではアイアンマンとソーで主人公の双璧を担っているのを見てこれは押さえておかなくてはと二作目の本作から参戦して見に行きました。

この手の映画、特にこの映画は何も考えずに見るのがいいですね。

というか、考えると何も成り立たなくなってしまいます。

なんせ、登場するのは神々ですから。

彼らは何でもできるんです。

そんなのありか?なんて映画を見ている間は思ってはいけません。

何でもアリです。神ですから。

こういう心構えさえあれば、存分に楽しめる映画だと思います。



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アメリカン・ハッスル ★★★★☆

アメリカンハッスル登場人物はみんなキャラが立っていて強烈だ。

主演男優賞ほか主要な俳優はすべてアカデミー賞ノミネートで今年最多の10部門ノミネートも納得。

自分の毛を抜いてわざわざバーコードの頭を作り、20kg増量してメタボ体型になったクリスチャン・ベイルはもはやダークナイトの面影はなく、そのなり切り様に唖然とする。

ジェニファー・ローレンスの演じるロザリンの泥臭さとイタさもこれまた強烈。

嘘で塗り固めた人生を歩んできてそれを生業にして生きるロザリンの周りの人間に対して、自分に対して愚直までに正直に地に足をつけて生きる彼女の生きざまはこの映画の中では異様に映る。

ところが、嘘(フェイク)を生業にするからこそ本物(リアル)にこだわり、スマートに生きたいと願う彼らの姿は一見洗練されたように見えるが、彼らの求めるリアルな生き様は実はロザリンのような泥臭さであるのは何とも皮肉なことだ。

70年代のヒット曲に彩られた、華やかなこの時代の描き方にも魅了される。

そして、最後のどんでん返しにも。



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