アルゴ ★★★★☆

宗教も慣習も全く違う異国の地、イランでの恐怖は淡々と冷徹に描かれる。

人質たちが自分たちだけが殺されるだけでなく、他の大勢の同僚の命も危険にさらす可能性のある作戦への参加への恐怖と緊張感は見ている方にも気が狂いそうになるほどの高まりを与える。

脱出作戦実行のときのサスペンスはまさに手に汗を握る。

ベン・アフレックの演出は本物だと思う。

サスペンスのシーンの一方で、CIAの官僚的な組織の中での戦いと虚構の世界をビジネスとする映画産業の中を渡り歩く戦いの対比が何とも見事だ。

ただ、最後の締めくくりはCIAの宣伝映画になってしまっているのが残念と言えば残念。

映画に描かれていない事実を言ってしまうと、他の人質を救出するための奇襲作戦は死者を出して失敗し、実際に人質が解放されたのはカーター政権が交代した後のことだった。

このことを考えると、この作戦は秘密にされるべくして秘密にされたのだと逆に納得してしまう。


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アウトレイジ ビヨンド ★★★☆☆

興業狙いの続編ということだろうか、迷いなく気合い入れて極道映画を撮りきったという感じがする。

少しでもスキを見せようもんならすぐにでも裏をかかれるような一瞬たりとも気の抜けない極道の世界を緊張感を切らせることなく最後まで描いている。

ラストの吹っ切れ具合も痛快だった。

高橋克典の殺し屋役はクールでカッチョよかったけど、セリフがなかったのは残念。

西田敏行は三谷幸喜のコメディのなんちゃって極道とはさすがに気合の入り方が違う。

全く隙のない腹の底からの極悪人を演じ上げているのには恐れ入った。



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あなたへ ★★*☆☆

高倉健の映画を映画館で見たのは初めてかもしれない。

この映画の宣伝で出演していたTVの高倉健は御年80歳を感じさせない若々しさだったが、映画の中の彼は自分には年相応に見えてしまった。

長塚京三にしろ、ビートたけしにしろ、どこか妙に老けた人たちのテンポの遅いやり取りがあまり耳に麗しくは響いてくれなかった。

そして、ラストのオチはあまりに話が出来過ぎという気がする。

その上、逆に実年齢より若く見える佐藤浩市が親だというところは今一つすんなり納得することができなかった。

大滝秀治は最後まで大滝秀治で、いい味出してたなあ。


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ソハの地下水道 ★★★☆☆

ナチス支配下のポーランドで地下水道にユダヤ人を14か月匿ったという実話。

最初は金目当てで始めたソハも、途中からユダヤ人たちに心を寄せていく。

映画全編ポーランド語で、戦時中のドイツ軍とのやり取りも生々しく描かれている。

この映画に登場するユダヤ人たちは大人しく地下水道に潜んでいるだけの輩達ではなく、とても人間臭く描かれている。

強制収容所へかつての仲間を探しに潜入したり、ゲットーへ戻ってみたりする。

地下水道で出産する一方で、子供の泣き声がうるさいからと赤ん坊を窒息死させてしまう。

さまざまな人間ドラマを組み合わせながらナチスへの対抗と自由への希望が切々と描かれている。


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推理作家ポー 最期の5日間 ★★☆☆☆

ただひたすら冗長。

話はひたすら淡々と進み、ハラハラドキドキとは無縁。

あまりのつまらなさから、途中から犯人が誰かなんてどうでもよくなってしまった。

殺人の見せ方も目新しさは感じられない。

ラスト、彼女を探し当てたのは結局、本人の勘ってことでしょうか?





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ボーン・レガシー ★★☆☆☆

旧3部作からずっと脚本を書いてきたトニー・ギルロイがシリーズで初めて脚本兼監督をしているが、全くもって残念な出来。

旧シリーズとは違ってレイチェル・ワイズやエドワード・ノートンといった名優たちを起用しているが、作品に対するその効果は疑わしく思う。

展開のテンポの悪さは本当に同じ人間の脚本家かと思えてくる。

シリーズのウリのはずだったアクションシーンは、アップが多く、何が起きているかわからない。

細かくつないだ編集は何かごまかしてるだけのようにも思えてくる。

シリーズの良さをすべて失っていて、これでは新三部作になっていくとは思えない。

本当にどうしちゃったんだろう?


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