
著作も多数あり、元巨人軍の桑田真澄の復活にも一役買った人である。
本作品は、そうした彼の、固定観念にとらわれない身体操作術の探求の道を追ったドキュメンタリーである。
彼は武術のみならず、現代の様々な場面での体の動かし方についてアドバイスを送り続ける。
それは、フェンシング、ラグビー、舞台俳優から介護ヘルパーやフルート奏者に至るまで非常に幅広い。
圧巻は、ボールの上に折り重なっている巨漢のラグビー選手をいとも簡単に引っぺがしていく場面だ。
体重をかけたラグビー選手が彼にひっくり返され、本人は何が起こったか理解できないかのように唖然とし、周りで見ている他の選手たちも目の前で起きたことが信じられずに何度も同じ動作を甲野氏にやってもらうシーンが印象的だった。